2024年パリオリンピックの柔道混合団体戦。
準々決勝、準決勝と順調に駒を進めてきた日本代表ですが、決勝戦でフランス相手に3−4と惜敗し銀メダルを獲得しました。
決勝には、個人戦で金メダルを獲得した阿部一二三選手や角田夏実選手も出場。
しかし、実際の階級とは上の選手と戦っていましたよね。
66kg阿部一二三選手の相手は、73kg級のギャバ選手でした。
柔道混合団体戦を観戦していて、このような疑問を抱きませんでしたか?
- なぜ階級が違う者同士が戦うことがあるの?
- 階級低い方が不利すぎない?
この記事ではそんな疑問を解消するため詳しく解説していきます。
パリオリンピック柔道混合団体戦「決勝」の結果
柔道混合団体戦決勝の結果は以下のとおりです。
【日本vsフランス】
- 男子90kg級:村尾三四郎 【勝】
- 女子70kg超級:高山莉加 【勝】
- 男子90kg超級:斎藤立 【敗】
- 女子57kg級:角田夏実 【勝】
- 男子73kg級:阿部一二三 【敗】
- 女子70kg級:高市未来 【敗】
《3-3のため延長戦》
▶︎抽選で「男子90kg超級」に
❼男子90kg超級:斎藤立 【敗】
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6人が対戦し、3−3で並んだため、ルーレットにて階級が選ばれました。
結果、選ばれた男子90kg超級の斎藤立選手がフランスのリネール選手に敗れ、日本代表は銀メダル獲得となりました。
阿部一二三や角田夏実はなぜ階級が上の選手と戦ったの?
個人戦と混合団体戦における階級の一覧は以下のとおりです。
個人戦 | 団体戦 |
---|---|
・女子52kg級 ・女子57kg級 ・女子63kg級 ・女子70kg級 ・女子78kg級 ・女子78kg超級 ・男子60kg級 ・男子66kg級 ・男子73kg級 ・男子81kg級 ・男子90kg級 ・男子100kg級 ・男子100kg超級 | ・女子48kg級・女子70kg級 ・女子70kg超級 ・男子73kg級 ・男子90kg級 ・男子90kg超級 | ・女子57kg級
このように、個人戦の階級の方がより細かく設定されています。
決勝戦メンバーである阿部一二三選手は本来66kg級、角田夏実選手は48kg級の選手です。
しかし、団体戦のルールに当てはめると、
- 阿部一二三選手(66kg級)▶︎男子73kg級に出場
- 角田夏実選手(48kg級)▶︎女子57kg級に出場
※同じく高山莉加選手も78kg級ですが、78kg “超級”に出場
となっています。
自分より体重の重い相手と戦うことは一般的には不利とされています。
よってその階級でできる限り重い選手(例えば男子73kg級なら橋本壮市選手)を起用した方が有利なのではないかと思われますが、選手にかかる負担や戦略を考慮して下の階級の選手を起用することもあるということですね。
実際に決勝戦では角田夏実選手は10kg近く体重が上の選手と戦って一本勝ちしています。(すごい)
阿部一二三選手(66kg級)は、決勝戦において73kg級の選手に惜しくも敗れてしまいましたが、一つ階級が上の選手にも果敢に攻めていく姿勢には感動を覚えました。
試合後のインタビューでは「みんなが繋いでくれたのに、日本の皆さんに申し訳ない」と涙ながらに語り、日本のエースとしてここまで、いろんなものを背負い大きな重圧に耐えてきたことがひしひしを伝わってきましたね。
まとめ
よって、チームの戦略や選手の状態によって実際の階級よりも上の選手と対戦する可能性もあります。
それは今回のパリオリンピック柔道混合団体戦においても同様であり、阿部一二三選手や角田夏実選手も実際の階級より上の選手と対戦しています。
銀メダル獲得おめでとうございます!