【祝直木賞】一穂ミチは二次創作BL出身!恋愛・ミステリー…読者の心を揺さぶり続ける作家の経歴

この記事でわかること
  • 一穂ミチ氏のプロフィール・経歴
  • デビューのきっかけ
  • BL作家から一般小説を書くことになった理由
  • 一穂ミチ氏の直木賞受賞に対する読者の反応
  • 今後もBL小説は描き続けるのか?

2024年第171回直木三十五賞を受賞した「ツミデミック」


この作品を書いた一穂ミチ氏とはどんな作家なのか、どんな経歴を辿ってきたのかまとめました。

一穂ミチ氏は過去にも「スモールワールズ」、「光のとこにいてね」でも直木賞候補にノミネートされており、今回3度目でついに受賞となりました。

目次

一穂ミチの経歴・プロフィール

BL作家として十数年活動し、今までほとんど顔出しをしてこなかった一穂ミチ氏。

一体どんな経歴を辿ってきたのでしょうか?

一穂ミチのプロフィール・出身地

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生年月日1978年1月(誕生日不明)
出身大阪府
学歴関西大学社会学部卒
ペンネーム
の由来
“一”…とりあえず一冊出してもらえたらいいな
“穂”…字面も響きも好きだった
“ミチ”…適当につけた(たまに後悔する)
デビュー作2008年
「雪よ林檎の香のごとく」
(新書館ディアプラス文庫)
その他著書「イエスかノーか半分か」(新書館ディアプラス文庫)
「スモールワールズ」(講談社)
「光のとこにいてね」(文藝春秋)
公式Xhttps://x.com/ichihomichi

漫画やアニメに夢中だった学生時代

読書好きの母の影響で自然に本を読んでいた子供時代。

ただし本というよりは漫画が好きだったそうで、「コロコロコミック」「週刊少年ジャンプ」「花とゆめ」などをよく読んでいたそう。

漫画・アニメに夢中で教室の隅でノートに漫画を書いたり、空想してばかりいたのだとか。

大学卒業後に二次創作で同人活動!デビューのきっかけは?

漫画やアニメに夢中すぎて、公式のストーリーには描かれていないキャラクターたちの隙間のシーンを妄想するのが好きだった一穂ミチ氏。

大学時代にインターネット上にイラストや小説を投稿し始め、二次創作のBL小説も書いていたそうです。

小説を書き始めたのは「絵があまり得意でないから文章のほうが楽だな」という理由から。

大学卒業後、会社員として就職しますが、並行して同人誌も作り二次創作は続けていました。

その活動の中で作品がとある編集者の目にとまり、「オリジナルで書いてみませんか?」と誘われたとのこと。

顔出しNG!会社員を辞めない理由は?

2008年のデビュー後から現在に至るまで、会社員を続けながら執筆を続けている一穂ミチ氏。

その理由からか、今までほとんど顔出しはしてきませんでした。
しかし今回の直木賞受賞の際はマスク姿で登壇。
テレビ取材も初めてだったそうです!

「職場でバレてしまうのでは?」という質問には、
認めさえしなければ大丈夫。他人のそら似を主張するつもりです。
と答えていました。

新しい作品が出るたびに話題になる人気作家でありながら、なぜ会社員を辞めないのか?

そんな疑問に一穂ミチ氏は過去のインタビューで以下のように回答しています。

勤めがあることで救われている部分のほうが大きいと思います。会社にいる時は小説を書かなくても居場所がある安心がある。私はメンタルが弱いので、それが必要なんです。やっぱり小説だけをやっていると、「これ書けなくなったらどうすればいいんだろう」という恐怖から逃れられないので。
 でも小説を書いていると、これでお金がいただけるなんてとてもありがたいなって思うし、仕事で嫌いな人と関わらなくていい、というのもあって。相補性が私の中でありますね。精神面と生活面の両方で、やっぱり今は会社勤めを必要としている気がします。

引用:WEB本の雑誌より

一穂ミチはBL作家としてデビュー、直木賞へ

BL作家としてデビューし、多くの作品を刊行

二次創作のBL小説を書いて同人活動していたところ、とある編集者に「オリジナルでBLを書いてみませんか?」とスカウトされた一穂ミチ氏。

2008年に「雪よ林檎の香のごとく」(新書館ディアプラス文庫)でデビューし、その後も多くの作品を刊行しました。

一穂ミチ氏の描くBLは基本的にハッピーエンド前提。
職業や立場の違う登場人物の心理が繊細に丁寧に描かれており、コミカライズやアニメ映画化もされています。

2021年「スモールワールズ」が話題に!一般小説を書くことになったきっかけは?

直木賞候補作「スモールワールズ」が出来たきっかけは、担当編集者からの熱烈な猛アタック!

2021年「スモールワールズ」は一穂ミチ氏の初の一般小説です。


一穂氏の「off you go (2012年)」を読んだ講談社の編集担当者が、一穂氏に熱烈なラブレターを送り小説の執筆を依頼したことからこの本の制作は始まりました。

しかしそれまでずっとBL小説を書いてきた一穂ミチ氏は、「何を書けばいいのかな」と迷ってしまい、最初の数年間はそのままにしてしまっていたそうです。

そんなある日、有栖川有栖先生のサイン会に訪れた際に再びその担当者に会ってしまい、「短編集なら…」ということでようやく重い腰を上げました。

この編集担当者と一穂ミチ氏の
『スモールワールズ』ができるまで!〈一穂ミチ大解剖インタビュー
も、文章から伝わる担当者の方の熱すぎる熱意と一歩引いている一穂氏のコントラストが面白かったので是非読んでみてください。

担当編集者の努力と一穂ミチ氏の文才のおかげで、「スモールワールズ」は以下のような数々の賞や候補に選ばれました。

  • 第74回日本推理作家協会賞候補(収録短編「ピクニック」)
  • 第165回直木三十五賞候補
  • 第12回山田風太郎賞候補
  • 第9回静岡書店大賞受賞
  • 第19回キノベス!2022第4位
  • 第43回吉川英治文学新人賞受賞
  • 第19回本屋大賞第3位
  • 第9回高校生直木賞候補

2024年「ツミデミック」で第171回直木三十五賞受賞!読者の反応

一穂ミチ氏の直木賞受賞を受けて、読者からも喜びの声が多数上がりました。

特にBL小説作家時代からの古参ファンは嬉しさもひとしおだったようですね。

今後もBL小説は描き続けるのか?

一穂ミチ氏は今後もBL小説も描き続ける意思があるそうです!

直木賞の授賞式にて「今後もBL小説は描き続けるのか?」という質問がありました。

書きたいですね。

商業出版という形になるかはわからないですけれども。

なんらかの形では書き続けたいと思っています。

引用:ニコニコニュースXより

長年BL小説を書き続けた一穂ミチ氏には昔からのファンもたくさんいらっしゃいますから、この回答にはホッとしたかもしれませんね。

まとめ

第171回直木三十五賞を受賞した「ツミデミック」の作者・一穂ミチ氏の経歴についてまとめました。

  • 学生時代は漫画やアニメに夢中でオタク活動に勤しんでいた
  • 同人誌で二次創作を描き始めたのは大学卒業後
  • 編集者から声がかかり、オリジナルのBL小説を書き始めた
  • 2008年デビュー以来、多くのBL小説を刊行。コミカライズやアニメ映画化もされた
  • 2021年初めての一般小説「スモールワールズ」を刊行し、話題になった
  • その後刊行された作品も直木賞候補、本屋大賞候補などに上がる
  • 2024年「ツミデミック」が第171回直木三十五賞受賞
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