- 岩井圭也氏のプロフィール
- 岩井圭也氏の生い立ち・経歴
2024年第171回直木三十五賞候補作「われは熊楠」を書いた作家・岩井圭也氏についての記事です。
理系出身で元企業の研究職だったという異色の経歴を持つ岩井圭也氏が、どんな作家なのか気になったので詳しく調べてまとめてみました!
直木賞候補「われは熊楠」基本情報
「われは熊楠」は様々な分野で業績を残し、「粘菌の父」と呼ばれた天才学者・南方熊楠(みなかたくまぐす)の生涯を描いた一冊。
われは熊楠(文藝春秋)
※現在、単行本のみ出版
「知る」ことこそが「生きる」こと
研究対象は動植物、昆虫、キノコ、藻、粘菌から星座、男色、夢に至る、この世界の全て。
博物学者か、生物学者か、民俗学者か、はたまた……。慶応3年、南方熊楠は和歌山に生まれた。
人並外れた好奇心で少年は山野を駆け巡り、動植物や昆虫を採集。百科事典を抜き書きしては、その内容を諳んじる。洋の東西を問わずあらゆる学問に手を伸ばし、広大無辺の自然と万巻の書物を教師とした。
希みは学問で身をたてること、そしてこの世の全てを知り尽くすこと。しかし、商人の父にその想いはなかなか届かない。父の反対をおしきってアメリカ、イギリスなど、海を渡り学問を続けるも、在野を貫く熊楠の研究はなかなか陽の目を見ることがないのだった。
世に認められぬ苦悩と困窮、家族との軋轢、学者としての栄光と最愛の息子との別離……。
野放図な好奇心で森羅万象を収集、記録することに生涯を賭した「知の巨人」の型破りな生き様が鮮やかに甦る!引用:Amazonより
作者の岩井圭也氏にとって、この「南方熊楠」という人物は子供の頃から心のどこかでずっと引っかかっていた存在であったと語っています。
妻子もいるのに金も生活力もなく、子供がそのまま大人になったような人間でありながら、天才的な記憶力と研究に対するひたむきさ、そして「知りたい」という欲にひたすら正直に真っ直ぐ突き進んだ熊楠。
そんな彼が死ぬ間際に妻に伝えた「ある頼み」とは…?
直木賞候補「われは熊楠」の作家・岩井圭也はどんな作家?
理系出身で元企業の研究職だったという異色の経歴を持つ岩井圭也氏は、一体どんな作家なのでしょうか。
岩井圭也のプロフィール
生年月日 | 1987年5月24日 |
出身 | 大阪府枚方市 |
家族構成 | 父・母・妹 |
デビュー作 | 「永遠についての証明」 第9回野性時代フロンティア文学賞 |
その他著書 | 「夏の陰」(KADOKAWA) 「プリズン・ドクター」(幻冬舎文庫) 「文身」(祥伝社) 「水よ踊れ」(新潮社)など |
公式WEBサイト | https://keiyaiwai.wixsite.com/info |
公式X | https://x.com/keiya_iwai |
岩井圭也の生い立ち・経歴
岩井圭也氏は生まれは宮城県ですが、3歳の頃に大阪に引っ越し、そのまま高校卒業まで大阪で育ちました。
その後北海道大学に進学し、卒業後は東京の企業に研究職で就職します。
- 5歳で紙芝居を作成する
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紙芝居を自分で作成し、図書館で発表したことがあったそうです。
内容はサンタクロースのお話だったとか。 - 小学4年生の時に自分で小説を書き始める
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雑誌・小学3年生で連載していた北森鴻『ちあき電脳探てい社』に夢中になり、連載が終わっても自分で続きのストーリーを考えていたそうです。
- 中学時代は漫画や古畑任三郎にハマる
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コメディーやユーモアのあるストーリーを好んで読んでいたそう。
古畑任三郎については事細かく覚えているくらい夢中になって観ていました。
- 高校は男子校
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この頃からぼんやりと小説の題材を意識しながら考えるようになっていきました。
- 大学は北海道大学の農学部へ
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大学1・2年の頃はキャンパスライフが楽し過ぎて読書を全くしなくなったとのこと。
しかし大学3年で品川駅のくまざわ書店に寄った時、「あれ?俺、小説書きたいんじゃなかったっけ?」と思い起こし、そこから読書を再開しました。
しかし進路についてはしっかり気持ちが固まらず、そのまま大学院に進みます。
- 企業の開発部に就職し、研修を受けながら執筆を開始
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就職し、とある東京の企業の開発部に配属が決まったものの、研修期間が3ヶ月ととても長かったそうです。
研修中は早く帰れるし、東京は知り合いもいないからやることがない。
その暇な時間を使って、ついに小説の執筆を開始しました。
- 「永遠についての証明」で第9回野性時代フロンティア文学賞を受賞
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会社員を続けながら時間を見つけて毎日小説を執筆し、「小説現代」や「野生時代」などに応募していた岩井氏。
選考で惜しいところまでいくものの落選する、という日々が続いていました。
しかし、ついに2018年「永遠についての証明」で第9回野性時代フロンティア文学賞を受賞し作家デビューしました!
- 10年間会社員を続け、2022年ついに専業作家になる
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何冊も本を出版しながら、会社員の仕事も続けていた岩井氏は2014〜2015年頃に結婚。
2022年に妻から「会社、辞めてもいいよ」と言われたことをきっかけに退職し、専業作家になりました。
ちょうどその直後のタイミングで本の重版が決まったり、翌年2023年に文学賞の候補に選ばれるなど、作家として追い風が吹き始めたそうです。
そして2024年の直木賞候補!
徐々に有名作家の階段を上がっていますね!
なぜ小説家志望なのに理系の道に進んだのか
岩井氏の著書に、数学が題材の「永遠についての証明」がありますが、実は数学の成績はあまり良くなかったそうです。
しかし高校で文理に分かれる時に、「生物が好きだし理系のほうが将来潰しがきくだろう」と考え理系を専攻したのだとか。
ある意味冷静ですね。
しかしその経験が作品にも活かされています!
直木賞候補「われは熊楠」岩井圭也は江頭2:50のYoutubeにも出演!
岩井圭也氏は江頭2:50のYoutubeチャンネル「エガちゃんねる」撮影中に偶然居合わせ出演したこともあります。
この時はお互いに相手の本を購入し、記念写真も。
ノリのいい方ですね!
このときの印象を岩井氏はnoteにも綴っています。(書店で江頭さんと会う)
まとめ
理系出身で元企業の研究職だったという異色の経歴を持つ岩井圭也氏。
幼い頃から本に親しみ、自分でストーリーを想像していた少年でしたが、学生時代は理系を専攻し、就職もして会社員と執筆活動を両立していました。
膨大な読書量と知識をもとにジャンルにこだわらないさまざまな作品を生み出しています。
- 2018年に「永遠についての証明」で第9回野性時代フロンティア文学賞を受賞。作家デビュー。
- 2022年会社を退職し、専業作家に。
- 2023年〜作品が「日本推理作家協会賞」「山本周五郎賞」などの文学賞の候補に上がるように
今回は残念ながら受賞を逃しましたが、「われは熊楠」は著者の岩井氏にとって特別な一冊だといいます。